単一選択問題 · #463
ある病院の統計によると、苦情が多い診療科ほど、医師が参加した医患コミュニケーション研修の時間数が多いことが判明した。院長は「研修を増やすほど苦情が増える。研修は逆効果であり、直ちに中止すべきだ」と述べた。以下のうち、この評価として最も適切なものはどれか?
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解答:B
- A研修時間と苦情件数が同時に増加しているのは、研修が効果を示していない証拠であり、中止すれば苦情は減り、無駄な費用も省ける。✗ 誤り。相関を因果と取り違えている。「研修時間の多さと苦情の多さが同時に見られる」ことを直接「研修が苦情を引き起こす」と解釈し、その上で意思決定しており、因果の方向性を飛躍させている。
- B苦情が多い診療科が優先的に研修を割り当てられた可能性が高く、研修時間の多さは問題への対応の結果であり、因果関係の方向が逆である。✓ 正しい。逆因果を指摘している。研修が苦情を招いたのではなく、苦情が多い診療科だからこそ多くの研修が割り当てられたのであり、院長の結論は因果の方向を逆に読んでいる。
- C研修時間が多い医師は通常より忍耐強く、苦情は本来少ないはずであり、統計データに誤りがある可能性が高いため、まず再確認すべきである。✗ 誤り。直感に基づいて結論を先に決め、データを疑っている。「因果の方向が逆かもしれない」という検証を行わず、「本来は少ないはず」という主観的な期待で相関関係の分析を回避している。
- D研修は廃止せず、任意参加に変更すべきである。自ら参加したい医師こそ真摯に改善に取り組む者であり、苦情は自然に減少するだろう。✗ 誤り。対応策を変えただけで、同じ誤った解釈を踏襲している。「研修時間と苦情の間に何らかの直接的な因果関係がある」ことを暗黙の前提としており、苦情が多いから研修時間が増えたのかどうかを問うていない。
解説:重要な推論:データは研修時間と苦情の間に正の相関があることを示すのみであり、まず因果の方向が逆ではないかを問う必要がある。病院は通常、コミュニケーション研修を改善策として苦情の多い診療科に割り当てる。つまり苦情が先にあり、研修時間は後から増えるのであり、院長はちょうど方向を逆に読んでいる。中止を主張する選択肢も任意参加を主張する選択肢も、「研修が苦情を引き起こす」という未検証の誤った解釈に基づいている。統計を疑ったり「忍耐強い」という直感で判断する選択肢も、因果の方向について何ら検証を行っていない。