単一選択問題 · #797
部門会議で、上司が「今回のプロモーションでゴールデンタイムにテレビCMを打たなかったのだから、来場者は絶対に増えないだろう」と述べた。しかし、実際には週末のショッピングモールは人で溢れ返った。なぜなら隣で大規模な蚤の市が開催されたからだ。以下の評価のうち、最も適切なものはどれか。
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解答:B
- A上司の推論は間違っていない。CMが集客の主因だからである。✗ この選択肢はCMが唯一の集客要因であると見なしており、問題文で示された他の集客経路を無視しているため、因果関係の過度な単純化にあたる誤りである。
- B上司の推論は前件否定の誤りを犯している。CMを打たなかったからといって、来場者が必ず増えないとは限らない。✓ これが正しい。上司は「CMを打つこと」を「来場者が増えること」の唯一の条件とみなし、CMを打たなかったことから来場者が増えないと結論づけたが、蚤の市など他の要因でも来場者は増え得ることを見落としている。
- C上司の発言には後件肯定の誤りが暗に含まれている。来場者が増えたのだから、CMが効果を上げたと言える。✗ この選択肢は二つの論理的誤謬を混同している。問題文で上司は「CMを打たなかった」ことから「来場者が増えない」ことを導いており、これは前件否定にあたり、結果から原因を逆算する後件肯定ではない。
- D上司の推論は実際には非常に厳密である。なぜなら、CMを打たなかった場合に来場者が増えないことは、事実によって反駁される必要があるからである。✗ この選択肢は、推論の正しさを事実による反駁可能性に求めるが、実際には推論の妥当性は論理構造による。上司の推論構造自体に問題があるため、この評価は不適切である。
解説:上司の主張は、論理的に整理すると「CMを打てば来場者が増える(暗黙の前提)」と「CMを打たなかった」ことから、「来場者は増えない」と結論するものである。これは前件「CMを打つ」が成立しないことから後件「来場者が増える」が成立しないと導く「前件否定」の誤謬であり、論理的に妥当ではない。来場者を増やす手段はCMだけに限らず、問題文中の蚤の市が反例となる。したがって、最も適切な評価は、この推論の欠陥を指摘する「CMを打たなかったからといって、来場者が必ず増えないとは限らない」というものである。