単一選択問題 · #810
製品に関する打ち合わせで、ある人が「私がこの案を採用するのは、すべての候補案の中で最良だからです」と提案した。同僚が「どこが良いのですか」と問い返すと、彼は「ほかの案はどれもこれに及ばないからです」と答えた。この発言に対する評価として最も適切なものはどれか?
解答と解説を見る
解答:B
- A明確な理由を示している。この案は他の案より優れているからこそ採用する、という妥当な説明である。✗ 誤り。表面的には比較しているように見えるが、「他の案より優れている」と「最良である」は同じ意味であり、どこが優れているのかの説明になっておらず、循環論法に陥っている。
- B結論を言い換えて繰り返しているだけで、選択を支える具体的な新たな根拠を何も示していない。✓ 正しい。結論は「この案が最良」であり、その理由が「他の案はこれに及ばない」では、言い方を変えて結論を繰り返しているにすぎず、具体的な比較基準や事実は何も示されていない。
- Cすべての案を比較したうえでの判断なので、その推論は十分な根拠を備えている。✗ 誤り。比較した事実があっても、比較の中身が実質的でなければ根拠にはならない。「及ばない」と言うだけでは十分な理由を構成しない。
- D他の案にも見落とされた長所があるかもしれず、偏った一部による全体判断の誤りを犯している。✗ 誤り。ここでの問題は一部からの全体推論の誤謬ではなく、理由と結論が同一の内容であり、本来の論証が存在していない点にある。
解説:問題文の「これが最良である」と「他の案はどれもこれに及ばない」は論理的に同値であり、結論を言い換えただけで、「どこが良いのか」という問いには答えていない。本来の理由とは、コストが低い、効率が高いといった案固有の長所を指し示すものであり、「最良」をもって「最良」を証明することは循環論法にすぎない。したがって、結論を繰り返しているだけだと指摘する評価が正解となる。